宇都宮〜掛川 豪華私鉄乗り継ぎの旅
あるいは JRを使わない旅
VSE + e-LineR版
2016/3/26全区間公開
はじめに
JRを使わない旅シリーズ第2弾。前回、「
というわけで、掛川までの補足版でございます。前回、ロマンスカーはEXEだったのですが、[e−LineR]利用スケジュールだとVSEが狙えます。ただ、時間帯がどうしても午後〜夜に偏ってしまうし、私鉄乗り継ぎがテーマなのに小田急だけだと距離的にも足りない。それならいっそ、ルートを拡張してスペーシアもくっつけてしまいましょう。
2016年3月の某平日に実行です。残念ながら土休日は、東名掛川〜掛川駅間のバス(しずてつジャストライン)の最終便に間に合わないんですね。まあ、ここは歩いても行けはしますけど。あと、どうせロマンスカーに乗るのなら展望車をゲットしたいので、席が取りやすい平日を狙ったというのもあります。
(路線・ダイヤ等はその後変わる可能性もあるので、最新情報を確認するようにしてください。)
氏家駅西口→自治センター玄関前(上河内)
この旅のスタート地点をどこにするか、あれこれ悩みましたが、JRで行くのが一般的な場所をJR以外で行きたいという当サイトの趣旨から、JR東北本線の最も遠い地点を考えました。気持ち的には矢板〜新高徳を、しおや交通で行ってみたいところですが、朝の便がないので断念。よって、氏家スタートに決定。ですが、氏家〜宇都宮間の東野交通(※)のバスが激減しているため、代替ルートとして、宇都宮市がやっている[上河内地域路線バス]を使うことにします(ただし休日は運休)。
氏家駅は西口からの発車です。東野交通(←2018年10月より関東自動車に統合)[馬頭・喜連川方面]が発着する東口との間は自由通路「東西線」で行き来できます。
車体には、以前の愛称名「ユッピー号」が残っています(デマンド交通の名称になったはずだが)。運行は関東自動車となっています(東京の関東バスとは別の会社)。
鬼怒川を渡る氏家大橋から望む高原山。かつて東武特急の名称に使われたこともありました。
中央が[上河内地域路線バス]の停留所。道を挟んで左が図書館と生涯学習センター。その間の道を奥のほうに歩いて交差点に出たところで、次のバスに乗り継ぎます。
上河内地域自治センター→東武駅前(宇都宮)
右側から歩いて来ました。
[玉生(たまにゅう)・今里]からの関東自動車に乗ります。
東武駅前→鳥居跡町(鹿沼市)
今から[東武宇都宮線]で行くと時間が余るので、それならスペーシアに少しでも長く乗るために鹿沼までバスで行くことにします。もっとも、予約しておいたスペーシア特急券の購入期限が発車15分前までなので、バス乗り換えのついでに東武宇都宮駅に寄って早めに購入することにしました。
関東自動車が停車するのは、大通り上の東武駅前の停留所。駅に併設の宇都宮東武のターミナルには停車しないので注意。写真の手前方向に歩くと東武百貨店。その中に東武宇都宮駅があります。駅に行って戻るまで10分くらいかかりました。(写真は別の行先のバス)
新鹿沼駅の最寄り停留所は鳥居跡町(とりいどちょう)。関東自動車の時刻表検索ページでは、ランドマークとして新鹿沼駅を入力すると出てきます。
写真で見ての通り、交差点を右に曲がり突当たりが新鹿沼駅です。
新鹿沼→浅草
長い前哨戦でした。ここからが豪華私鉄旅行の本番です。
近鉄に次ぐ路線長を誇る東武の沿線風景。新大平下か静和のあたり。
タイミングが遅れましたが、栗橋。向こうに見えるのはJR宇都宮線。JR直通特急[日光]、[きぬがわ]が乗り入れてくる場所です。昔は東北方面への国鉄特急と、東武デラックスロマンスカーという、ボンネット特急同士の遭遇シーンも見られたことでしょう。
東京都内に入りました。東京メトロ千代田線に乗り入れてきたJR常磐線各停です。向こうに見えるのは東京拘置所。小菅にて。
そして、荒川を渡って北千住へ。4社、10本もの線路が並行する壮観な鉄道風景です。向こうにはスカイツリーが。
越谷あたりからどうもノロノロ運転だと思っていたら、浅草到着が7分遅れとのアナウンス。原因は説明なし。まあ、いくら日本の鉄道が時間に正確だといっても、ギリギリのスケジュールを組んではダメってことですね。
新宿まで、前回と異なるルートで行ってみたくなったので、[浅草線]〜[新宿線]という、都営地下鉄同士の乗り継ぎを選択。
東武浅草駅から外に出ると、交差点の斜向かいにこれが見えますが、ここは[東京メトロ銀座線]の入口。[都営浅草線]はさらに江戸通り沿い(写真右手)に歩きます。
はいこれが[都営浅草線]の入口。イチョウのマークが都営の印ですね(本当はイチョウではなくTの文字を図案化したもの)。
「西馬込、京急線、羽田空港方面」の乗場へ。
ちょうどやって来たのが、[エアポート快特]。これだと東日本橋まで1駅。路線図通り3駅だと思っていると乗り過ごす可能性あり。そういえば一般に出回っている地下鉄路線図では、[エアポート快特]の停車駅や、[都営新宿線]、[メトロ副都心線]の急行停車駅、[メトロ東西線]の快速停車駅が書かれていなくて、今一不案内です。それに、「エアポート快特」が“Ltd. Exp.”だというのも、訳語が正しくないんですけど・・・どう訳せばいいんでしょうね?どうも、空港行きの列車というと、「アクセス特急」だの「ラピートベータ」だの「ミュースカイ」だの、意味不明な名称が多いんですよね。
東日本橋駅からいったん改札を出て、馬喰横山駅に向かいます。ここで、紙の乗車券の場合は、必ずオレンジ色の改札を通ること。でないときっぷが回収されてしまいます。
馬喰横山→新宿(新宿線・京王新線)
後発の急行に岩本町で追い越されるとのこと。岩本町には急行が停車しないので、ここで各停を見送って急行を待ちます。狙ったわけではないですが、速達列車同士の乗り継ぎとなりましたね。
新宿駅に到着。ここから小田急線に行く一般的なルートは、京王モール(西口地下街)を通って西口に行くか、ルミネの中を抜けて南口に行くかですが、今回は私鉄マニア好みの行き方をしてみました。京王線の構内を抜けていこうというものです。写真の通り、都営新宿線・京王新線から京王線への連絡通路があります。実は京王線は1〜3番線、京王新線・都営新宿線は4,5番線と、通し番号になっています。
連絡通路を抜けると、京王線3番ホームの端に出ます。特急の発着ホームとなっています(笹塚に停車しない特急への、都営線からの乗り換えの便宜を図っている形)。
このホームを通り抜けて、改札を出るんですが、ホームも通路も狭いため、ラッシュ時は避けるほうが無難でしょう。基本的に乗り換えのための通路で、京王線の改札から都営線に行けるといった案内はされていないので。
京王線/小田急線の間は乗り換え改札口がないので、いったん改札を出ます、そこから案内表示通りに進めば大丈夫です。Uターンするような形です。
(新宿駅の案内表示は、2017年度に新しい形式に統一される予定)
小田急線の改札口(西口地下)の手前には、うどん・そば、丼物、カフェなどがあるので、ここで軽く食事するのがいいでしょう。下手にデパ地下などに入ると、迷う可能性あり。
新宿→箱根湯本
(注意:GSEデビュー前の旅行記です)
今回も特急券予約は「e−Romancecar」利用。これ、展望席のリクエストができるだけではなく、車種もわかります。JTB時刻表では「VSE以外の車両で運転する場合があります」と書かれている便がありますが、この予約サイトでは、その日VSEに当たるかLSEに当たるかがちゃんとわかります(私が見た限りではMSEやEXEに替わることはなさそう)。ちなみに、JR時刻表だとJTB以下で、とりあえず「VSE」としか書かれていなかったり、そもそも途中が省略された時刻表しか載っていません。こんなところが、大手旅行会社とJR系列出版社とのスタンスの違いでしょうかね。
さて、ロマンスカーですが、今回ラッキーなことに、1週間前でも前展望席が取れました。ピーク期でなければ、意外と空席があるようです。さすがに、3月末だと、春休みとダイヤ改正が重なり、さらに桜シーズンも始まるためか、展望席は連日満席または残り1席という状況でした。
いよいよお待ちかねのVSEに乗車。
ちょうど隣のMSEが回送で発車していったので、ついでに撮影。
新宿駅を出発。実はここは渋谷区。
ここでカメラの調子がおかしくなって、しばらく展望写真は撮影できず。でもほとんど住宅地なんですけどね。展望席だと直射日光がモロに当たって、かなり熱くなるので注意。
ちょうどカメラが復活した所で、小田急線で唯一自然感が残る、渋沢〜新松田間。
並行する国道246号(写真右)を走っていた神奈中バスは廃止され、現在は秦野市の乗合タクシー[行け行けぼくらのかみちゃん号]が運行されています。
霞んでいますが、富士山。
小田原駅に到着。ここから箱根登山鉄道ですが、現在小田原〜箱根湯本の区間を走るのは小田急の車両のみ。
小田原駅を過ぎてもしばらくはJR東海道線と並走。かつては標準軌と狭軌との3線軌条でしたが、小田急車両のみの運行となった今は、狭軌のみとなっています(3線に見えるのは脱線防止レール)。
東海道線の旅路ではここで「都会の電車」とさよならです。ちなみに、箱根板橋駅から早川駅へは徒歩1kmで行けます。
箱根湯本→強羅
「アレグラだ!」と思って急いで乗り換えたら・・・何と色だけアレグラの在来車両でした。しかもロングシート。
強羅駅→東名御殿場
強羅のバス乗場は駅のすぐ前ではなく、ちょっと歩きます。中央の白い看板の向こうがバス乗場です。
バス乗場から振り返るとこんな感じ。バスを待っている間に、右側の踏切を「アレグラ」(本物の)が通過。
[御殿場駅行き]のバス。系統番号ならぬアルファベット[G]が振られています。車両は[観光施設めぐりバス]のもの。
天井は写真の通り。
さっき登山電車でエッチラオッチラ上ってきたのに、バスがあっけなく坂を下るので、何か拍子抜けします。
このバスだと東名御殿場まで行けますが、本数が少ない。他に[観光施設めぐりバス(S,M,L)]で、秩父宮記念公園で降りて歩くか、御殿場プレミアムアウトレットでアウトレットのシャトルバスに乗り換える方法もあります(アウトレットのシャトルバスは路線バスではなく自家用送迎バスなので、アウトレットで食事でもするほうがいいかも)。
乙女峠を越えると静岡県入り。
そして東名御殿場に到着。箱根湯本〜御殿場間、箱根の山を越えるのに約2時間です。それもオフシーズンの平日なので、ピーク期にはもっとかかるでしょう。箱根登山電車に乗るのに1時間待ちとかいう話もありますから。
東名御殿場は、待合室と飲み物の自販機、WCがありますが、売店はありません。向いはパチンコ店と小田急箱根高速バスの乗車券売場。(←その後コンビニが出来ている)。そんな場所です。
東名御殿場→東名掛川
時刻表がJRバスしかない!どこから乗るんだ?と思ったら、裏側に貼ってありました。
(遠鉄バスの公式サイトにも書かれていますが、御殿場からの乗車には前日までの予約が必要。またGW、旧盆、正月は停車しないので注意。
なお、代替ルートとして、東急・しずてつ[相良渋谷線]利用+御前崎経由乗り継ぎの方法あり。)
10分遅れながら、浜松行きのバスが到着。同時刻にJRバスの浜松行きもあるので紛らわしいですが・・・確かに「燕号」ではなく、[e−LineR]です。
何かもう、旅が終わっちゃったような気分です。「静岡県の壁」崩壊前は、ここからが旅の正念場だったんですけどねえ。
由比付近を走行中。言わずと知れた、東海道の路線バス断絶区間。さった峠を歩きながら、東名を快走する車を恨みましたよねえ・・・。
渋滞にハマってしまった。東名の工事とのこと。御殿場までの遅れと合わせて20分強の遅れに。
牧之原SAで休憩。
東名掛川に到着。
すっかり暗くなりましたが、ここから「出雲殿」を目印に歩きます。
東名掛川→掛川駅
しずてつジャストラインのバス停留所に到着。
さっきの[e−LineR]が遅れたおかげで、ここはいいタイミングでの乗り継ぎとなりました。でなければ、歩くほうが早いでしょう。(2016/3/27にダイヤ改正あり)
ということで、今日のラストです。実はすぐに新幹線で東京に帰らなければならないので、取り急ぎ証拠写真まで。
(関連リンク: 静岡県1日横断版(東行き)、 東北地方版)